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最高裁判所第二小法廷 昭和39年(あ)1789号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人の上告趣意について。

所論はまず、違憲(一三条)を主張するが、道路における危険を防止し交通の安全と円滑を図るため、車両の通行区分をいかに規制するかは、もっぱら道路交通に関する立法政策の問題であって、憲法一三条によって保障される国民の権利を侵害するかどうかということと直接には関係のない事項であるから、右違憲の主張はその前提を欠き、上告理由として不適法である。

また所論違憲(一四条)をいう点は、本件検挙の不当を非難するものであって、原判決そのものに対する攻撃とは認められず、その余の所論は、単なる法令違反(走行中の先行車両が道路交通法一七条四項三号にいう「その他の障害」にあたらないとした原判断は正当である。)、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外)

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